新製品開発を成功に導くワンストップ支援
特に中小企業において、自社独自の新製品を開発・設計し、試作機を製作し、いよいよ新製品の量産段階となってから、性能が出ないなどの品質問題が現実のものとなれば、販売時期が見通せなくなり、突然経営難に直面してしまう場合もあるかと思います。
事業には少なからずリスクが潜んでいます。これらのリスクを予め想定しておき、事前の打ち手を講じておけば、こういったことにはなりません。
しかしながら、ベンチャー企業などの中小企業には、大手企業のようなリソース(ヒト・カネ等)や新製品開発の仕組みは勿論ノウハウもありません。限られた人員で、投資した資金を元手に、試作品を作って評価し、生産・販売へと進めますが、資金に余裕がないため、問題が出ないことを前提に、まさに一発勝負の意気込みで取り組まざるを得ないかもしれません。
また、リスクは、「変わり目」、「つなぎ目」などの状態が変わるところに潜んでいます。私の経験では、設計担当者が図面を出図し、製造担当者が加工・組立を行う際、ハードの担当者が試作品を作り、次工程のソフトの実装へと引き継ぐ際など、次のステップにバトンタッチするところで、様々な問題が発生することがあります。
その際、設計が悪いのではないか? 作り方が悪いのではないか?などと、これまで皆が前を向き一丸となっていた組織の人間関係がぎくしゃくすることも少なからずあります。
新製品開発はある種のプロジェクトで、開発ステップを円滑に進めるためには、各部門をまとめる指揮者のような役割のプロジェクトリーダーが必要となります。
開発初期に全体のゴールを明確にし、タスクを設定し、リスクが潜んでいるかもしれない開発ステップのつなぎ目でリスクアセスメントを行い、出図前から製造担当者が参加し、関係部門を集めてスクラムを組み、開発ステップを進めることが大切です。そして、プロジェクトが終われば、活動を振り返り、開発ステップで行ったことを企業のノウハウ(文書)として残す作業も忘れてはなりません。
プロジェクトリーダーには、経営工学などの広範囲な専門知識と豊富な実戦経験に裏付けたリーダーシップ、言語化を含めたコミュニケーション能力が必要であることは言うまでもありません。専門技術を制御する品質管理などの管理技術や、ロジックに物事を考え(論理的思考力)、適切に判断(倫理的判断能力)する能力、そして人の話がきちんと聴ける素養が無くては、人はついてきません。
新製品開発などのプロジェクト活動は、問題が起きてから(リスクが現実のものとなってから)始めるのでは遅く、手段も限られてしまいます。設計段階、もっといえば商品企画段階(開発ステップの上流)から始めることが大切です。
重大な問題が起きないよう、潜在的なリスクを予め抽出し、リスクアセスメントし、重要度に応じた未然防止策を検討・実施しておくことも併せて実施しなければなりません。こういったいわば「攻めの品質マネジメント活動」が必要となります。それでも、開発ステップで問題が発生することもあります。その場合は、確実に再発防止(含む適切な応急処置)をしなければなりませんが、多くの企業では真の原因に手を打つことができていないように感じています。
私は、これまで航空機関連メーカーや電子部品メーカー、量産機械メーカーなど完成品メーカーから部品メーカーまでサプライチェーン全体のものづくりを技術者の立場、また部下を持つ管理職の立場、そして経営的立場で経験しました。また、技術士(経営工学部門)取得に裏打ちされた高度な知識と、豊富な実戦経験を有しています。
独立後は、国内外の企業様へのコンサルティングや指導、セミナーなどでコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、そして異なる経営規模・経営状況に合わせた指導力などを磨き続けており、ワンストップのご支援が可能です。
これから新製品を世に出したい、あるいはいつも新製品開発では大きな問題が発生し、設計への手戻りを減らしたいなどの課題や問題をお持ちのベンチャー企業様、中小企業様には、是非お気軽にご相談くださいますようお願い申し上げます。